きんぴらや煮物、サラダまで活躍の幅が広いごぼう。
食物繊維を代表に、カリウムやマグネシウムといった栄養素がたっぷりな野菜としても知られています。

ごぼうのアク抜きって時間はどのくらいやればいいの?
ごぼうを調理する際、誰もが一度は思ったことがありますよね。
基本的に、ごぼうは3分ほどアク抜きするのがベストで、料理によってはアク抜きをしなくても問題ないケースも。
私はアク抜きにベストな時間を知らなかったせいで、ごぼうの大切な栄養素まで抜いてしまっていたことがあります…。
ここでは、アク抜きをする際に最適な時間や方法、下ごしらえのコツをご紹介します。
豊富な栄養をキープしながら、美味しくごぼうをいただくことができますよ♪
ごぼうのアク抜き時間の目安は3分!しなくても大丈夫


そもそもごぼうのアク抜きって必要なの?
実は、ごぼうのアクの正体はポリフェノール。アク抜きをしなかったとしても体に害はありません。
むしろ、ポリフェノールは血液をサラサラにしてくれたり、美白効果が期待できたりと私たちにとってプラスになる成分ともいえます。

赤ワインやコーヒーにも多く含まれてるって聞いたことがあるよ。
私たちの生活に身近なポリフェノールですが、ポリフェノールは苦味や色素の成分でもあります。
ごぼうのアク抜きを一切しなかった場合、渋みやえぐみの元となってしまうんです。
ごぼうを切って時間が経つと、切り口がどんどん黒く変色してしまったことはありませんか?
変色の原因も、ごぼうに含まれるポリフェノール。
空気中の酸素と反応して酸化し黒くなる性質があるため、見た目が黒く変色してしまうのです。

切ったばかりのりんごの断面は白いけど、時間が経つと黄色くなる。それと似ているね。
体に害はなくても、真っ黒になってしまったごぼうはあまり美味しそうに見えませんよね…。
栄養素や旨味をしっかり残しつつアク抜きするベストな時間は、3分ほどといわれています。
アク抜きの方法や作りたい料理によっては、10秒ほどでOKな場合も。
逆に、以前の私のようにあまりにも長い時間アク抜きをしてしてしまうと、栄養や風味まで抜けてしまうので気をつけてくださいね。
調理ごとのアク抜き時間目安は下記を参考にしてください。
サラダや和え物は3分ほどしっかりアク抜きを
サラダや和え物など生に近い状態で食べる場合は、アク抜きをしないと渋みや苦味が目立ってしまい美味しくありません。
調味料を染み込ませないことも多いので、黒っぽく変色してしまうと見た目もイマイチですよね。
3分ほどしっかりアク抜きするのがおすすめです。
煮物や汁物のアク抜きは2分以内で問題なし
ごぼうは煮物や豚汁などに使うこともできる優れもの。
スープや煮汁に風味が溶け出て栄養を余すことなくいただくことができます。
一切アク抜きをしなかった場合、スープや煮汁が濁ってしまう可能性が…。
かといって、アク抜きをしすぎると栄養が流れ出ていってしまうため、2分以内がおすすめです。
きんぴらごぼうや炒め物などに使う場合はアク抜き不要
きんぴらごぼうや炒め物に使う場合は、油を使った濃い目の味付けになることが多いので、アク抜きをしなくても気にならないでしょう。
このようなケースはアク抜きを省略しても大丈夫です。
ごぼうはアク抜き前の下ごしらえも重要!コツを紹介

ごぼうを調理する際、アク抜きと同じくらい重要なのが下ごしらえです。
丁寧に下ごしらえすることで、出来上がりの見た目も、口に運んだ時の満足度も変わってきます。
スーパーで手に入れることができるごぼうには「泥付きごぼう」と「洗いごぼう」の2種類があります。
どちらの種類を使うかによって下ごしらえのポイントが変わってきます。
- 泥が乾燥を防いでくれるため香りや味が強い
- 湿った新聞紙で包み冷暗所で保管することによって1〜2ヶ月の長期保管が可能
- 泥を洗い落とす手間、キッチンの掃除が必要
- 洗浄されているため香りが多少失われている
- ラップに包んで冷蔵保存が基本だが、2〜3日を目安になるべく早く使い切るのが良い
- 泥を落とす必要がないためすぐに使える
洗いごぼうは既に泥が落とされているため、ご家庭で洗わずにすぐに使うことができます。(たまに泥が残っている時もあるので、念のため確認してくださいね♪)
時間がない時でも手軽に食卓へ取り入れることができるのが魅力ですね。
一方、洗う作業が必要な泥付きごぼうは手間がかかりますが、泥のおかげで乾燥が防がれているので、香りや味が強く格別な美味しさです。
洗いごぼうは洗わずそのまま使えますので、ここでは泥付きごぼうの洗い方、下ごしらえのコツをご紹介します。
泥付きごぼうの下ごしらえのコツは、表面をこすり洗いすることと、皮を剥きすぎないことです。
泥付きごぼうは、いわば収穫したままの姿です。
泥がびっしり付いているので、手でささっと洗い流すのではなく、ブラシや布巾を使ってしっかりとこすり洗いをしてあげましょう。
ごぼうは皮の近くに香りや旨味がギュッと詰まっているので、皮は包丁の背を使ってこそげとるだけで十分なんですよ♪
皮をこそげとるだけで良いと知らなかった私は、思いきりピーラーで皮を剥いてしまっていました。
一番栄養のあるところを捨ててしまっていたなんて、かなり残念です。
アク抜きもやりすぎると良くないように、皮も取りすぎるのはNG。
皮まで食べることは体に良いだけではなく、ゴミを減らすことにも繋がりますよね。環境にも優しいでです。
泥付きごぼうの皮をこそげとる時は、アルミホイルを使ったやり方もあるんです!
アルミホイルを一旦くしゃくしゃに丸めて、破けないようにもう一度開きます。
ちょうど良い具合にキズのついたアルミホイルでごぼうをゴシゴシ擦ると、面白いぐらい皮がボロボロ取れます。
包丁を使わないので、お子様にお手伝いをお願いするのも良いですね♪
下ごしらえがバッチリ済んだら、アク抜きの出番です。
ごぼうのアク抜きは酢水が鉄板!?熱湯を使う方法も

ごぼうのアク抜きには様々な方法がありますが、中でも手軽でおすすめなのが以下の3つです。
- 酢水にさらす
- 水にさらす
- 熱湯にくぐらせる
どれも簡単にトライできるものばかりですよ♪
<酢水にさらす>
アク抜きの方法として馴染み深いのが、酢水にさらすというやり方です。
時間は3分くらいでOK。私もごぼうのアク抜きをする際はこのやり方を使うことが一番多いです。
酢水の濃度は約3%、水500mlに対して大さじ1くらいの分量が目安となります。
ごぼうに含まれる色素は、酸性に反応すると無色になる性質があるため、酢水にさらすことで変色を防ぎ白く綺麗に仕上げることができます。
サラダや和え物など素材の色が気になる料理にぴったりですね。

酢を入れたら匂いや味がごぼうに移ってしまわないか心配だなぁ。
3分ほどの短い時間で、濃度も3%程度であれば、酢の匂いや味がごぼうに移ってしまう心配はほとんどありません。
それでも気になる場合は、酢水にさらしたあと水でササっと流せば大丈夫です。
<水にさらす>
ごぼうのアク抜きは、水にさらすだけでも十分な効果を得られます。酢がない時でも安心ですね。
時間は酢水にさらす場合と同じ3分でOKです。途中で1回水を交換してあげるとより良いでしょう♪
<熱湯にくぐらせる>
時間がない場合は、熱湯にサッとくぐらせるだけでも大丈夫です。
ごぼうを切っている間にお湯を沸かしておけば待つ必要がないので嬉しいですね♪

ケトルで沸かしたお湯も使えます。鍋を用意する手間が省けますよ!
ごぼうはアク抜き後に保存もできる!冷凍がおすすめ

ごぼうの上手な保存方法についてもご紹介します。
泥付きごぼうなのか洗いごぼうなのか、ごぼうを切る前なのか後なのか…条件によっておすすめできる保存方法は異なります。
前提として、ごぼうをより長持ちさせたい場合は、泥付きごぼうを買うのがオススメです。
<ごぼうの冷凍保存>
- ごぼうをささがきや千切りなどにスライス、大きめに切っても問題なし
- ごぼうのアク抜きをする
- ごぼうをさっと下茹でする
- 火を通したごぼうは粗熱を取り、保存袋に入れて冷凍する
ごぼうを冷凍する場合は、あらかじめサッと火を通しておくのがおすすめです。
生のままごぼうを冷凍したこともありますが、ボソボソとした食感になってしまいあまり美味しくありませんでした。
冷凍した生のごぼうを自然解凍すると、アク抜きをしてもごぼうが黒く変色してしまうことがあるので、やはり火を通しておいた方が無難ですね。
ごぼうの下茹では、ささがきや千切りなど小さめにスライスしたものなら1分程度で火が通ります。
大きめにカットした場合は、2〜3分茹でてください。
保存袋に入れて冷凍する際は、ごぼう同士が重ならないようなるべく薄く広げると良いですね♪
冷凍保存なら1ヶ月ほど日持ちしますし、アク抜きも済んでいるので使う時もラクラク。
凍ったまま汁物、炒め物、鍋料理などに幅広く活躍してくれます。
<ごぼうの冷蔵保存>
洗いごぼうや、一度洗ったり切ったりしたごぼうは、常温保存に向いていません。
そのようなごぼうは、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。日持ちは1週間ほどです。
切ったごぼうは変色してしまうので、アク抜きを忘れないでくださいね。
泥付きごぼうも、気温が高い季節には冷蔵保存をおすすめします。
泥付きごぼうを冷蔵する場合は、湿気がこもってしまわないように、新聞紙などの紙類で包んだ上でビニール袋に入れ、口を閉じます。
たまに取り出して新聞紙を取り替えてあげると、2ヶ月ほど日持ちしますよ♪
<泥付きごぼうの常温保存>
乾燥に弱いごぼう。泥付きごぼうであれば、泥が乾燥からごぼうを守ってくれるので鮮度を保ちやすく、比較的長く風味を楽しむことができます。
冬など気温が低い時期であれば、新聞紙に包んで冷暗所に置くだけで常温でも1ヶ月ほど日持ちします。
ご家庭に畑や庭があるよ!というあなたには、泥付きごぼうを土に埋めて保存するという方法もオススメです。
軽く穴を掘り、ごぼうを土で覆っておけば、2ヶ月くらいは美味しく食べられます。

正しく保存すればかなり長持ちするんだね。ごぼうってすごい!
<ごぼうの乾燥保存(干しごぼう)>
最後に、ごぼうを乾燥させて保存する方法のご紹介です。干し方はとっても簡単!
ごぼうをささがきにしてザルに広げ、天日干しするだけで完成です♪
日の当たるところなら、室内でも簡単に作れるのが嬉しいですね。
夏場は半日〜2日、冬場は3日〜7日ほどかけて、なるべくカラカラにするのがポイント。

出来上がった干しごぼうは、料理に使うのではなく「ごぼう茶」にするのがオススメです。
- 弱火のフライパンで5〜10分ほど乾煎り(油を使わず材料を炒めること)する
- 乾煎りしたごぼうを広げ、粗熱をとる
- 急須に乾煎りしたごぼうをひとつまみ入れ、熱湯を注ぎ3〜5分待てば完成
冷凍・冷蔵・常温・乾燥とさまざまな保存方法に対応できるごぼう。優秀ですね。
私は料理にそのまま使えて日持ちもする冷凍保存に助けられています。
あなたの生活に合った保存方法で、ごぼうの栄養と味を長く楽しんでくださいね。
まとめ

- ごぼうのアクの正体はポリフェノールなので、アク抜きをしなくても体に害はない
- ごぼうに含まれるポリフェノールによって時間が経つと黒く変色するため、見た目が気になる料理に使う場合はアク抜きをした方が良い
- アク抜きをする時間は3分程度が目安で、長時間のアク抜きは栄養を損ねてしまう
- ごぼうは皮の近くが栄養たっぷりなので皮を落としすぎないことが大切
- ごぼうを酢水でアク抜きすると、酢の力でより白く綺麗に仕上げることができる
- ごぼうは水や熱湯でもアク抜きでき、熱湯を使うと時間短縮にもなる
- 泥付きごぼうは常温保存も可能
- ごぼうは冷蔵・冷凍・乾燥保存できる
ごぼうのアク抜きは時間が勝負。正しい方法でごぼうの香りや風味をしっかり残しましょう。