賞味期限 設定ガイドラインとは|内容をわかりやすく解説!

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日本では、賞味期限や消費期限内でまだ食べられるのに、食べ物が捨てられてしまう「食品ロス」の量が年間570万トンと言われています。

日本人1人当たりの食品ロスの量はなんと年間で約45㎏…。すごくもったいない!

世界的に見ると食料廃棄量は年間約13億トン!人間は作られた食料のおよそ3分の1もの量の食べ物を廃棄している計算になるんです…。

賞味期限の設定ガイドラインを知れば、食品ロス貢献につながるかもしれません。

私も調べてみましたが、消費者庁のホームページにあがっているこの設定ガイドラインの文面がとてつもなく堅苦しい(笑)。

この記事では賞味期限の設定ガイドラインを、難しくない言葉に言い換えながら解説していきます!

検査方法などをかみ砕いて解説いたしますので、一緒に「もったいない」をなくしていきましょう!

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賞味期限の設定ガイドラインは大きくわけて3項目

日本人は特に衛生観念(えいせいかんねん)が強く、食品を購入するにあたって必ずと言っていいほどチェックする重要な項目が賞味期限です。

私も食品の買い物をしている時、ついつい賞味期限を確認して一番奥の方から商品を取ってしまいます。

そもそも賞味期限の設定にガイドラインってあるの?誰がどうやって設定しているの?と疑問ですよね。

生産者は、「明後日までOK!」「三日は大丈夫!」と曖昧に設定いるわけではなく、消費者庁が定めたちゃんとしたガイドラインにそって賞味期限を決めています。

より安心で安全な食品を消費者に届けるために、生産者たちは日々、品質管理に目を光らせているんですね♪

食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定ガイドラインには、それぞれの食品の特性に十分配慮した上で~ウンタラカンタラ…。と長々項目が書かれています。

そのなんと読みづらいことか。私も心が折れそうになりました(笑)

具体的な設定方法と、試験や検査の方法をわかりやすく説明いたします。

理化学試験

理化学試験とは、食品の製造日から品質の劣化を、理化学的に分析した試験です。

食品の特性に応じてそれぞれの食品の賞味期限の設定を判断していきます。

一般的な理化学試験の項目
  • 粘度(ぬるぬるしていないか)
  • 濁度(濁っていないか)
  • 比重(古くなり蒸発したり、腐ってガスが発生したりして重さが変わっていないか)
  • 過酸化物価(油が酸化したことによる数値の変化)
  • 酸価(油の性質を示す数値のひとつ)

酸性やアルカリ性の通知を表すpH(ピーエイチ、ピーエッチ、ペーハーとも読む)などもこの試験には大きく関わっています。

腐敗すると生まれるアンモニアや酸によって酸性、アルカリ性の指数が変化し、品質劣化の指標となります。

微生物試験

微生物試験はいわゆる「細菌」がどのくらい増殖するかを調べる試験です。

大腸菌群、真菌(しんきん、カビのこと)、食中毒の菌など種類は様々!

食品が作られた日から、品質の劣化を微生物学的に評価するものだそう。

食品の種類や、製造方法、温度、時間、包装方法など保存条件に応じて試験される微生物は変えられるみたいです。

一般的な細菌食品の微生物による汚染の度合いを評価する最も重要な菌。
大腸菌環境衛生管理上の汚染を見る菌。大腸菌だけでなくその他の類似菌も含む。
真菌(カビ)湿気が多い時期によく見られる。穀類で繁殖する、乾燥に強いカビも存在する。
酵母いい酵母もあるが、密封した食品に混入すると、発酵して膨張を引き起こす原因となる。
好気性芽胞菌熱や乾燥に強く、穀類や豆類、さらには香辛料にまで発生することもしばしば。

夏場は特に怖い食中毒!色んな種類の菌が存在しています。賞味期限の微生物試験で検査されるのは主にこの菌たち!

〈こわぁ~い食中毒菌〉

黄色ブドウ球菌「おうしょく」と読みます。人の皮膚に多く存在しており、手作業で食品に直接接触すると食中毒になる可能性がある。
サルモネラきちんと加熱できていないたまご・肉・魚料理が原因になりやすい菌。
ペットの糞などから感染する場合も。
腸管出血性大腸菌O157こちらも加熱不足が原因になりやすく、肉料理に発生する菌。
毒力の強いベロ毒素というものを発生させ、重篤な症状を引き起こす。
セレウス菌土壌や汚水に多く繁殖している菌。
嘔吐型、下痢型と2つあり、嘔吐型はピラフやスパゲティなどが原因になりやすい。
腸炎ビブリオ生の魚介類に多く発生する菌。刺身や寿司が原因になりやすく、特に夏場が注意。
カンピロバクター未殺菌の井戸水などにいる菌ですが、加熱不足の鶏肉にも発生。
最も食中毒がおこりやすい菌の1つ。

聞き覚えのある怖い菌ばかりですよね…。これらが発生しないように賞味期限を適切に決めてくれる生産者さんに感謝です(笑)。

官能検査

官能検査とは人間の五感(目・耳・鼻・舌・皮膚)を使って品質を判定する方法です。

食品の管理下においては目、鼻、舌による検査項目が主になっています。

官能検査の主な項目
  • 見た目が悪くなっている
  • 嫌なにおいがする
  • 味が変化している

官能検査は具体的な数値などがあるわけではないので、誤差が出る可能性が高い検査。

結果の再現性も検査をした人間の体調や検査をした時間帯など、多くの要因により結果が変わることもあります。

しかし、適当な機器測定法が開発されていない場合や、測定機器よりも人間の方が感度が高い時にこの検査は用いられます。

賞味期限の設定で加速試験って一体なんのこと?

賞味期限の設定を調べていくと「加速試験」という言葉が予想変換機能などででてきます。

加速試験?わざわざ賞味期限を早めるってこと?

本来よりも過酷な保存温度を設定し、消費期限よりも短い期間で消費期限設定を試してみるのが、この「加速試験」というわけなんです!

40℃ほどの高温で保存することによって、賞味期限の設定を短期間で試験できる、といった内容の試験です。

添加物や保存料が使われた食品は、その保存試験までに長い期間がかかってしまいます。

あなたは非常食やレトルト食品などの、賞味期限がながーい食品ってどうやって賞味期限が設定されているか気になりませんか?

加速試験では、保存温度を生産者と相談して設定し、通常の試験項目の中から、主に官能検査と理化学検査で試験していくそうです。

具体的には、普段は冷蔵・冷凍のように低温で微生物や菌の増殖を遅らせている食品や、25℃(常温)保存できる食品をわざと加温して、最速で菌を増殖させます。

賞味期限の設定と表示方法を消費期限と比較

コンビニのお弁当屋やスーパーのお惣菜に「消費期限」「賞味期限」と表記されていることってありますよね。

品質が急速に劣化しやすいものは「消費期限」が設定されていて、それが表示されているそう。

急速に劣化⁉どういうこと⁉賞味期限とは違うの~⁉

似てるようで違う!賞味期限と消費期限の違い

似てるようで違うこの言葉。簡単にかみ砕いた言い回しで解説いたします!

〈消費期限〉

推奨された正しい方法で保存された状態で、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなる恐れがないと認められる期限を示す年月日です。

難しい言い回しをしましたが、要は「この日までは安全に食べられるよ!」という期間が消費期限なんです。

逆を言えば、消費期限が過ぎている食品は安全性の保障がないため食べない方がよいでしょう。

手作りのお惣菜などは急速に劣化する可能性のあるもの、と判断されるため消費期限が表示されています。

捨てなきゃ!と思うのは消費期限を過ぎてからでベター。

〈賞味期限〉
推奨された正しい方法で保存された状態で,期待される全ての品質が十分に守られている期限を示す年月日です。

つまり「この日までは絶対美味しく食べられるよ!」という期間が賞味期限なんです。

賞味期限が多少過ぎていて、味の保障はなくなりますが「食べられない」という期限ではないので、納豆などの発酵食品は表示された賞味期限を過ぎていても私は食べちゃいます(笑)。

簡単に言えば、消費期限は「安全に食べられる期限」、賞味期限は「美味しく食べられる期限」ということになります。

たまごで例えてみましょう!たまごの賞味期限は「生で食べる」ということが前提に設定されています。

なので、たまごのパックに書いている賞味期限や、1つ1つシールが貼ってあるあの日付は「生で食べる」ことが可能な期限の設定です。

と、いうことは消費期限ではなく賞味期限。「美味しく食べられる」期間なので、「消費期限」ではありません。

つまり!しっかり加熱調理すれば食べても大丈夫なんです♪

賞味期限1日過ぎちゃった…とがっかりしないで!ゆで卵など、中までしっかり火が入る方法で調理すれば問題ありませんよ。

まとめ

  • 賞味期限の設定ガイドラインは消費者庁のホームページで見ることができる
  • 設定ガイドラインの項目は大きくわけて理化学試験、微生物試験、官能試験の3つ
  • 理化学試験は酸性、アルカリ性の度合いで粘度や濁度など調べる試験
  • 微生物試験は細菌がどのくらい増殖するか調べる試験
  • 官能試験は人の目で見た目の変化、鼻で嫌な臭いがしないか、舌で味の変化がないかを行う試験
  • 加速試験とは40℃ほどの高温で保存し、消費期限より短い期間で消費期限設定を試す試験で、非常食などに行う
  • 賞味期限は美味しく食べられる期間を指し、消費期限は安全に食べられる期間を指す

賞味期限は設定ガイドラインに基づき、たくさんの検査を越えて、私たち消費者のもとにやってきた食品。

期限を守ったうえで食品ロスをなくすために正しい知識で廃棄の判断をしたいですね。

もしカフェなどを開業して賞味期限の設定方法が知りたい場合は、理化学試験や微生物試験は専門の検査機関がありますので、利用することがおすすめですよ!脱食品ロス!