骨伝導補聴器は高齢者におすすめだと思っていませんか?
実は加齢による難聴に骨伝導補聴器は適していないんです!高齢者には従来の補聴器がおすすめです。
骨伝導補聴器は耳の後ろの骨に振動を伝えることで音を伝達する仕組みで軽度の難聴にのみ適しています。
難聴の種類によって適している補聴器がかわるので試聴やレンタルで実際に使用してみることが重要です!
補聴器と混同して同じようなものだと思われている集音器は軽度の難聴に適したもので、補聴器と違い医療機器ではありません。
集音器で聞こえが改善しないからと言って補聴器でも改善しないというわけではないので専門店や病院で診てもらうのがいいでしょう!
今回は難聴の種類や骨伝導補聴器を高齢者におすすめしない理由、補聴器の種類や安価な集音器と補聴器の違いを説明します♪
骨伝導補聴器を高齢者におすすめできない理由

骨伝導補聴器は加齢に伴う難聴にはおすすめできない種類の補聴器なんです!その理由を説明していきますね♪
耳は外側から外耳(がいじ)、鼓膜のあたりの中耳(ちゅうじ)、鼓膜より奥の内耳(ないじ)の3つに区別されます。
この3つのどこに障害があるかで難聴のタイプが決まるんです。
難聴の種類は3つ!高齢者の場合はどのタイプ?
①伝音難聴
伝音(でんおん)難聴は外耳から鼓膜あたりの中耳のあいだのどこかに障害があるタイプの難聴です。
鼓膜の損傷や傷、奇形、急性中耳炎などからくる軽度の難聴で病院での治療が可能であることがあります。
治療で聴力が戻らないときに補聴器を使い聴力を補います。
骨伝導補聴器はこの伝音難聴のみが適したものなんです!
②感音難聴
感音(かんおん)難聴は鼓膜のあたりの内耳、もしくは内耳以降の聴神経に障害があるタイプの難聴です。
高齢者の難聴もこのタイプに含まれ加齢や長時間騒音にさらされるなどが原因で聴力が低下します。
また突発性難聴やメニエール病、騒音性難聴などの病気も原因の1つです。
感音難聴は治療が困難で日常的に補聴器を使い、聴力を補うことがおすすめです。
③混合性難聴
伝音難聴と感音難聴の両方が原因によって起こる難聴です。
高齢者の難聴は混合性難聴であることが多いです。
ひそひそ声などの小さい声や普通の会話でも日常的に聞こえづらくなった場合は放っておかずに病院の受診をおすすめします!
放置してしまうことで治療で治ったはずのものが悪化したり、聴力が戻らなくなったりすることがあるからです。
骨伝導補聴器の仕組みとデメリット
人は音を聞く時、鼓膜を振動させて伝わる気導音と骨を通じて感じ取る骨伝導の両方で聞いています。
骨伝導補聴器は耳の後ろにある乳様突起という骨に直接振動を伝えることで音を伝達する仕組みです。
骨伝導補聴器は鼓膜より奥にある内耳の部分や、聴神経が正常でなければ使えないので高齢者にはおすすめできないんです!
高齢者の難聴は内耳部分や聴神経に障害があることがほとんどだからです。
骨伝導補聴器には眼鏡型とカチューシャ型などがあります。
眼鏡型は自分の度が合うレンズを入れれば眼鏡としても活用できます!
ですが骨伝導補聴器のデメリットとは3点あります。
- 高度な難聴に適さない
- 付けている時にズレること
- 使用時間が長くなると痛くなることがある
骨伝導補聴器は軽度の難聴である伝音難聴にしか適さず、ほとんどの高齢者が感音難聴か混合性難聴なので使える人が少ないのが事実です。
骨伝導補聴器は耳の後ろにある骨に骨伝導補聴器を強めに当てる必要があるため、痛くなったり当たっている部分がへこんでしまったりすることがあるんです。
既製品なので自分の頭の形に合わずズレてしまうことがあり、ズレることで音が聞こえづらくなってしまいます。
補聴器のことをネットで検索すると必ず骨伝導性補聴器というワードが出てきますが、実際使用している人は多いのでしょうか?
補聴器を使っている人の約63%が耳掛け型、約32%が耳あな型、約4%がポケット型を使っています。
このことから骨伝導補聴器は約1%ほどでかなり少ないことがわかりますよね!
これは骨伝導補聴器が感音難聴に対応できないことが背景にあります。
難聴者のほとんどは加齢が原因で、その中の大半は感音難聴なんです。
また、骨伝導補聴器は一部のメーカーでしか骨伝導補聴器を販売しておらず、今後さらにその数は減っていくことになると思われます。
骨伝導補聴器は高齢者向けをレンタルすべし!

骨伝導補聴器は片耳で15万円、両耳で30万円以上、耳あな型や耳掛け型の補聴器も数万円から数十万円と補聴器は高価なものです。
購入する前に専門店で骨伝導補聴器や高齢者向きの補聴器をお試しやレンタルできるところもあるそうです!
レンタルして実際に生活の中で使ってみることで、高齢者に合ったものを見つけることができるのがいいですよね!
補聴器を試聴したときにチェックするポイントをお伝えします♪
補聴器を試聴した時に見極めるべきポイント!
- 実際の生活で補聴器を使用できるかどうか
- 補聴器を使ってみてちゃんと音が聞こえたか
- 片方の耳、両方の耳に必要か
- 電池交換やボタンの操作ができるか
まず骨伝導補聴器や耳あな型など種類に関わらず、ずっとつけていることが可能なのか?ということが補聴器の利用には実は重要なんです!
補聴器は毎日つけることになるので、痛かったり違和感が強いとつけていることが苦痛だったりする場合もあるんです。
初めは短い時間からつけてみて慣れることがいいでしょう。
また、耳あな型は高齢者にとってはかなり小さく操作しづらいかもしれません。
ボタン電池の取り換えやお手入れも細かい作業になるので難しい場合があります。
メーカーや種類によって音質や聞こえ方、つけ心地がかわってくるので必ず試しましょう!
補聴器のレンタルはどこでできる?システムや料金は?
補聴器は専門店や眼鏡屋、病院などで購入できます。そのなかでもレンタルサービスを行っているのは主に専門店や眼鏡店です。
レンタルする際のシステムや流れを説明します♪
①お店で相談、聴力測定
レンタルサービスを行っているお店に行き高音が聞こえづらい、ささやき声が聞き取りづらいなど耳の聞こえ方を相談してみましょう。
聴力測定を専門のスタッフにしてもらいましょう!
ここまでは眼鏡屋さんで眼鏡を作る過程と似ていますね!
②試聴
検査が終わったら、実際に補聴器を付けてみます。耳あな型や耳掛け型など形や付け心地はメーカーによってさまざまです。
パンフレットで見ていた時にこれがいいなと思っていても実際の付け心地はよくないかもしれないので必ず付け比べしてみてください♪
③レンタル
自分に合う補聴器が選べたら、いよいよレンタル開始です!
レンタルの期間は数日から1か月など、店舗により期間も料金も違ってきます。
システムもさまざまでレンタル1回3000円、なんてところもあれば毎月レンタル料を払うところもあります。
お店ごとにルールや金額、レンタルの日数がかわってくるので事前に確認しておくことをおすすめします!
レンタル中に少し低音が聞き取りにくい、など調整が必要になってくる場合もあります。
店舗によって異なりますがレンタル中に調整を行ってくれる場合もあるので相談してみましょう。
また、補聴器は買ったら終わりではなく聞こえの調整や掃除などの日頃からメンテナンスが必要になってくるものです!
何か困ったことがあればすぐにお店に相談するのがいいでしょう♪
④返却
期間終了後、お店にレンタル品を返却します。お店によりますが気に入ればそのまま購入することも可能ですし、他の物をレンタルすることもできます。
補聴器は高いお買い物で数十万も出して結局使わなかったとなるとショックが大きいですよね。
レンタルして実際に使ってから購入を決められるのはすごくいいシステムなので使わない手はないです!
高齢者に向いているおすすめの補聴器3選

骨伝導補聴器が高齢者に向いていないことはわかりましたよね?
では骨伝導補聴器ではなく高齢者におすすめの補聴器はどんなものがあるのかご紹介します♪
①耳あな型
補聴器の中で一番小さい種類で、耳のなかに入れてしまえばわかりにくく自然で目立ちません。
耳の穴の形の型を採ってオーダーメイドで作るのでフィットして落ちにくいんです!
ただし耳あな型は難聴が重い、耳垢が多い、耳が小さい場合には不向きです。
また補聴器自体が高齢者にとって小さいため電池が代えづらかったり、落として失くしてしまったりする可能性があります。
私の祖母は耳あな型の補聴器を使用していました。
つけてしまえばよく聞こえるので重宝していましたが、左右の形が似ているので左右を間違ってつけてしまったり電池が代えづらかったりと細かい操作が難しいようでした。
耳あな型は耳の穴にフィットさせることで少々の衝撃では落ちないんですが、上下左右の向きを間違えてつけることや奥まできちんと入ってないことで耳から落ちてしまうんです。
私の祖母は外出時にどこかで落としてしまったようで、また同じものを買いなおすことになり家族みんなでショックだったのを覚えています。
また、電池交換のタイミングを音で知らせるタイプを使用していましたが、その音が高音で聞き取りづらいこともあったので祖母の代わりに電池の交換や掃除などは私が行っていました。
安い買い物ではないので補聴器を付ける時や電池交換などは家族が手伝ってあげるのもいいですね。

周りのサポートが大切ですね♪
②耳掛け型
耳に掛けて使う種類で、耳あな型に比べ高度な機能を持ち操作が簡単なことが特徴です。
軽度の難聴から重度の難聴にも幅広く対応していることもメリットです。
また耳あな型に比べると大きさはありますが小さすぎないことで失くしにくいというメリットもあります!
ただし汗に弱いことと、マスク、眼鏡、帽子など耳に当たってしまうものを使用するときにはおすすめできません。
③ポケット型
胸ポケットに入れたり、ひもでぶらさげたりして使う種類で昔のウォークマンのように本体とイヤホンをコードで繋いで使用します。
他の補聴器よりも安価で重度の難聴の方に適しています。
他の補聴器と違い機械が大きく目立つことや、コードが邪魔になることがデメリットです。

骨伝導補聴器ではなく、この3種類の中から選べばいいんだね!
骨伝導補聴器と集音器の違いを解説!

補聴器と混同して同じようなものだと思われている集音器。
集音器とはどのようなものなのか解説したいと思います。
そもそも骨伝導補聴器や高齢者向け補聴器は厚生労働省が定めた基準をクリアした医療機器です。
それに対し集音器は特に基準や制限がなく、ネットや量販店などどこでも買えるものです。
補聴器は周りがざわざわうるさくても言葉が聞き取ることができたり、大きな音を出しすぎたりしないような高度な調整が可能なものなんです!
集音器はだいたい1万円前後で、基本的に音を大きくして聞こえやすくすることだけができます。使う人に合わせて細かい調整ができません。
補聴器は高齢者が聞こえが悪くなってきた時や難聴の症状にでたときに適したものでそこが集音器と大きく違うところです。
集音器は小さい音を大きく、大きな音はさらに大きく聞こえてしまうので、いきなりものすごく大きな音を聞いて耳を傷めてしまう可能性もあります。
集音器も骨伝導補聴器以外の高齢者向け補聴器と同じく耳あな型、耳掛け型、ポケット型の3種類です。

集音器を使っても聞こえづらかったのに、補聴器で聞こえやすくなるの?
集音器は軽度の難聴に適したものなので、集音器で聞こえが良くならなかったからと言って補聴器も聞こえが良くならないというわけではないんです。
- 集音器と補聴器は別のもの
- 軽度の難聴には集音器と骨伝導補聴器が適している
- 高度の難聴には補聴器が適している
集音器で聞こえが改善しなくても、きちんと補聴器を使っていれば聞こえるかもしれません。
聞こえに不安があるときは耳鼻科や専門店で一度見てもらいましょう。
まとめ

- 骨伝導補聴器は軽度の難聴に適しているので高齢者におすすめではない
- 難聴の種類は伝音難聴、感音難聴、混合性難聴の3つであり、骨伝導補聴器は伝音難聴にのみ適している
- 高齢者の難聴は伝音難聴であり感音難聴でもる混合性難聴であることが多い
- 高齢者におすすめの補聴器は骨伝導補聴器ではなく従来の耳あな型、耳掛け型、ポケット型の3種類
- 補聴器はメーカーや種類によって付け心地や聞こえ方がかわってくるので必ず試聴やレンタルすることがおすすめ
- 試聴した際にはちゃんと聞こえるか、電池交換などの操作ができるのかなど実際に使うことができるのか確かめることが重要
- 補聴器と集音器の違いは医療機器であるかないか、細かい調整ができるかなどで高齢者の難聴には集音器はおすすめではない
骨伝導補聴器は高齢者におすすめではありません!
高齢者におすすめなのは耳あな型や耳掛け型などの補聴器で耳鼻科や専門店でみてもらうのがいいですね。