舌が白いのが気になるんだけど、これって原因とかあるの?取れないのかな?
舌についた白いものは「舌苔」といって、全ては取れないんですよ。
舌苔は舌がうっすら白く残るくらいなら心配ありません。あなたは舌苔がつく原因を知っていますか?
舌苔がつく原因は、生活習慣によるもの・薬の影響・全身疾患の3つ。
特に多いのは、生活習慣の中でも清掃不足によるものです。
基本的には舌磨きなどで取れますが、それでも取れない場合は他に病気が隠れていることも。
今まで舌に白い汚れがついていても、気にしていなかったあなた!まずは自分の舌をチェックしてみましょう。
歯科衛生士歴15年の私が、舌のケア方法やケア用品もアドバイスしますよ♪
痛みがないからと放っておくのはやめて、口の中も健康になりましょう。
舌の白い汚れが取れない原因は清掃不足!舌苔って何?
あなたも鏡で自分の舌をチェックしてみましょう。
私の舌も白い…。しかも取れない!
舌に白くついて、なかなか取れないものは「舌苔」といいます。
舌苔とは、食べかすや汚れ、細菌が苔状についたもの。
白い舌苔が舌につく原因は大きく分けて3つありますが、中でも多いのは清掃不足です。このあと詳しく説明しますね。
「取れない」といいましたが、うっすらと白くついているなら心配ありません。
食べ物をしっかり噛んで食べていれば特別にケアしなくても、きれいな状態を保てますよ♪
しかし、明らかに舌に白く厚い舌苔がついているようなら話は違います。
放っておくと口臭や歯周病・虫歯など、口の中のトラブルを起こすこともあるので注意しましょう。
必見!舌苔が舌につく3つの原因を徹底解説
では、早速舌苔がつく原因をみていきましょう。
先ほどお話ししたように、舌苔が舌につく原因は大きく分けて次の3つがあります。
- 生活習慣
- 薬の影響
- 全身疾患
1.生活習慣
舌苔が舌につく原因で1番多いのは、生活習慣です。いくつかあるので、順番に説明しますね。
- 清掃不足
- 唾液の分泌量低下
- 口の乾燥
- 舌の筋力・運動量の低下
<清掃不足>
あまり歯を磨く習慣がなかったり、職業柄どうしても日中ケアしにくかったりすると舌苔はつきやすくなります。
歯や舌を磨くなど、セルフケアできる習慣がつけば改善できますよ♪のちほど詳しく紹介しますね。
<唾液の分泌量低下>
唾液には「自浄作用」といって、口の中の汚れを洗い流す効果があります。
加齢や病気により唾液の量が減ると、自浄作用の効果も少なくなるため、舌についた汚れも残りやすくなってしまいます。
<口の乾燥>
私たちは普段鼻から呼吸しますが、口から呼吸するケースがあります。
口から呼吸すると口の中が乾燥してしまうんです。
口の中が乾燥すると、舌についた細菌が増えて舌苔となるのです。
口で呼吸する原因はアレルギー鼻炎など、鼻の疾患であることが多いです。まずは、鼻の疾患の治療を優先しましょう。
<舌の筋力・運動量の低下>
舌の運動量が減ると、唾液の分泌量低下につながります。
唾液の分泌量が減ると、先ほどお話しした自浄作用の効果も少なくなります。
よく噛んで食べると、唾液の分泌量が増えて改善策になりますよ♪
2.薬の影響
抗生物質やステロイド剤を長期間飲み続けると口の中にいる常在菌の種類が変わることがあります。
常在菌とは、人体の中に日常的に存在する細菌のことをいいます。
薬による影響を受けると黒い舌苔が舌につくことがあります(黒毛舌)。
この場合は内服薬を出している主治医に相談しましょう。薬の変更が可能かもしれません。
3.全身疾患
口の中だけでなく、胃腸の不調や糖尿病の症状として舌苔が厚くなることもあります。
舌苔は体調不良のサインになることも。白い舌苔は胃腸が弱っていたり、疲れが溜まっていたりすることも原因と考えられます。
「痛みもないし…」と侮らず、体を休めたり病院を受診したりしましょう。
注意!舌苔を放っておくと口の中のトラブルに発展する?
冒頭でもお話ししたように、舌の表面にうっすらとついた白い舌苔は特に心配ありません。
明らかに舌苔が厚くなってきたら注意しましょう。
- 口臭
- 虫歯や歯周病
- 誤嚥性肺炎
舌苔が白く目立ってくるということは、細菌が繁殖しているということです。
細菌が繁殖してくると、口臭の原因になってしまいます。
また、一見あまり関係なさそうにみえますが、虫歯や歯周病が進行することも。
舌苔は歯垢(プラーク)と同じような細菌の集まりなので、口の中の常在菌である虫歯菌と歯周病菌を繁殖させることに繋がります。
歯垢(プラーク)とは、食べ物の残りかすが歯の表面に残り、細菌が繁殖したもののことです。
怖いのは誤嚥性肺炎です。舌の上で繁殖した細菌が唾液や食べ物と一緒に気道や肺に入ることで誤嚥性肺炎は起こります。
高齢者や病気で飲み込む力が低下している場合、特に注意しましょう。
「たかが舌の汚れ」と思っていると怖いですね。
舌苔が厚くついてくる前から、予防できると安心です。
1番手軽な方法は「よく噛む」こと。唾液の分泌量も増えますし、舌がよく動くことで汚れが残りにくくなりますよ♪
舌苔がついてしまった、取り方が知りたいあなたには、これからケア方法も紹介しますね。
舌についた白い汚れを取る方法は?基本は舌磨き♪
ついてしまった白い舌苔は、どうやって取るのでしょうか。
きっとあなたも「舌磨き」を想像するでしょう。
舌苔を取る方法は舌磨きが基本!歯科衛生士おすすめのケア用品も紹介しますよ♪
基本的にはこの4つの方法があります。これから説明していきますね♪
必見!舌のケア方法と歯科衛生士おすすめのケア用品
現場で患者さんと話していると舌のケアまで意識しているケースは、ごくわずか。
白い舌苔が厚くついてしまえば、もちろんケアが必要です。普段のケアに舌磨きを取り入れると、予防にもなり効果的ですね♪
では具体的に舌苔を取る方法を紹介していきましょう。
ブラシ
ブラシで磨くのが1番手軽!普通の歯ブラシで十分ですよ♪
特別にブラシを買う必要はありません。歯磨きに使っている歯ブラシを使いましょう。注意が必要なのは、ブラシの毛の硬さ。
硬い歯ブラシは舌を傷つけることがあるので、普通~柔らかめを選びましょう。
歯の表面の汚れを取るためにも、併用するなら普通の硬さがおすすめ。
もちろん歯ブラシとは別に、こちらのような舌ブラシを準備しても構いません。
舌苔がつく原因は清掃不足。舌磨きのハードルが上がらないよう、特別に舌ブラシを準備しなくてもいいとお話しすることが多いです。
舌の奥から手前にかき出すように磨きましょう。必ず優しい力で磨きます。
強く磨けば舌苔が取れると思うかもしれませんが、それは逆効果。
舌の表面が傷つきますので、必ず優しく磨きましょう。
嘔吐反射を起こすこともあるので、様子をみながら磨いてくださいね♪
マウスウォッシュ(洗口液)
舌磨きだけでも舌苔はかなり改善しますが、口臭予防も考えているならマウスウォッシュがおすすめ。
口に含んで、30秒ほどブクブクとうがいしましょう。
「医薬部外品」であるマウスウォッシュを選べば、殺菌作用などの効果がある成分も入っていますよ♪
「化粧品」と記載されているものは薬用成分が入っていません。使ったときの爽快感があっても薬用効果はありませんので注意してくださいね。
とはいっても、ドラッグストアに行くとたくさんのマウスウォッシュが並んでいますね。実はここにも意外な落とし穴が。
歯磨きのときに使う「うがい薬」、実は2種類あることを知っていますか?
マウスウォッシュ(洗口液):歯磨き後に使う
デンタルリンス(液体歯磨き):歯磨き前に使う
患者さんでも特に多いのが、デンタルリンスをマウスウォッシュとして使っているケースです。
デンタルリンスは歯磨き粉の液体バージョン。うがいをしてから歯磨きする必要があります。
対して、マウスウォッシュは歯磨き後に使います。
買う前には、パッケージの裏面をチェックしましょう。
「マウスウォッシュ」か「デンタルリンス」、「化粧品」か「医薬部外品」と書いてありますよ。
ここでは、マウスウォッシュを紹介していきますね。
それぞれの商品には薬用効果があります。口臭予防にプラスしてあなたの気になる症状に合わせた薬用効果のマウスウォッシュを選びましょう。
こちらは殺菌作用のある成分「塩化セチルピリジウム(CPC)」が含まれています。
他にも歯茎からの出血予防や抗炎症作用もあるので、歯茎の悩みがあるあなたにおすすめ。
マウスウォッシュのピリピリした感じが苦手なんだよね…。
ピリピリ感が苦手なら、ノンアルコールタイプがおすすめです。
マウスウォッシュってピリピリするものが多いですよね…。
ピリピリ感が苦手なあなたはノンアルコールを選びましょう。
携帯用の小さいサイズを販売しているものもあるので、試しに使ってみてから大きいサイズを購入するのがおすすめです。
使い勝手の良いノンアルコールタイプですが、1日3回以上と頻繁に使う場合はおすすめしません。
ノンアルコールタイプに含まれる成分の中には、害のない常在菌を排除したり味覚障害を起こしたりする可能性もあります。
朝夜と1日2回使っている分には心配ありませんが、頻繁に使いたいならノンアルコールタイプは避けてくださいね。
綿棒
家にある綿棒を使うので、とても手軽な方法ですよ♪
濡らした綿棒で舌の奥から先にかけて3~4回優しくなでます。
使ってそのまま捨てられるので、衛生的ですよ♪
舌ケアタブレット・キャンディ
ブレオは菓子メーカー「江崎グリコ」から販売されていて舌苔の発生を抑え、口臭を予防する効果があります。
キウイフルーツに含まれるタンパク質分解酵素「アクチニジン」という成分が含まれており、舌苔を溶かし口臭を予防してくれるんですよ。
必ず、舌の上に乗せて舐めましょう。
あめ玉を舐めるように左右の頬を移動させても、舌苔を落とす効果はないので注意。
手軽に舌ケアできるので、外出時などでケアできないときにおすすめです。
噂を検証!舌磨きをしない方がいいというのは本当?
インターネットで検索したら、舌磨きはしない方がいいって書いてあったけど、どうなの?
優しい力で磨く分には心配ありません。
舌磨きは舌苔を落としたり、口臭を予防したりとメリットがありますが、ケア方法を間違えるとデメリットも。
口臭悪化
強く磨くなどの間違ったケア方法で、口臭予防をするはずが悪化させてしまうんです。
舌を磨きすぎると、舌の表面に傷がついてしまいます。
舌に細かな傷がつくと、傷の中に細菌が入りやすくなり唾液の分泌量が減ることも。
先ほどお話しした自浄作用の効果が少なくなるため、口臭を悪化させてしまう可能性があります。
味覚障害
舌の表面には味覚を感じる味蕾という細胞があり、さまざまな味を感じとってくれます。
舌を磨きすぎると、味蕾という細胞を傷つけてしまい味を感じにくくなることも。
舌のケアは優しく、ほどほどにしましょう♪
歯磨きもそうなんですが、強く磨けば汚れが落ちると思う患者さんも多いです。
舌は柔らかい組織なので、特に優しくケアしましょう。
正しいケア方法であれば心配ありませんので、安心してくださいね♪
舌についた白いものが取れないときは病院を受診しよう
最初にお話ししましたが、うっすらと舌に白い舌苔がついているのは心配ありません。
ケアをしても舌のついた白いものが取れないときは他に病気が隠れている場合があります。
ブラシで磨いたけど、舌の白いものが取れないなぁ。病気じゃないか不安…。
痛みがないことも多いですが、自己判断せず病院を受診しましょう。
<口腔カンジダ症>
口腔カンジダ症は舌だけでなく、口の粘膜にも白い苔のようなものがつく病気です。
体の免疫力が落ちると口の中のカンジダ菌が増えて、粘膜に症状が出ます。
カンジダとは常在菌でカビの一種です。
内服薬(抗真菌薬)を飲むことで治りますので、安心してくださいね。
<白板症・舌がん>
白板症は舌の表面が硬く厚く変化することで、白い板が付着したようになります。
白板症だと、こすっても取れないのが特徴です。
痛みがないことが多く、気づかない場合もありますよ。
舌の縁や舌の下にできたものは、舌がんの前兆といわれています。
普段なかなか確認しないところなので、ときどき鏡でチェックするといいですね。
<シェーグレン症候群>
シェーグレン症候群は唾液の分泌量が少なくなる病気です。
唾液が減ることで口が乾燥し舌苔がつきやすくなります。
<副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎など鼻の疾患の場合>
鼻の病気だと、鼻がつまり口呼吸になりがちです。
口呼吸は口の中が乾燥しやすく、舌苔がつく原因になりますよ。
鼻の不調を感じているあなたは耳鼻科を受診すると良いですね。
<胃の不調・糖尿病などの場合>
舌苔がつく原因で、お話ししましたが、胃の不調や糖尿病の症状でも舌苔がつくことがあります。
体調不良などに心当たりがあれば、内科や胃腸科などへ受診しましょう。
早めの受診がおすすめです。
口の中のことなので、基本的には歯科医院を受診するのがおすすめです。
しかし、他の病気の可能性もあるため、症状に合った病院を受診してくださいね。
痛みもないし…と放っておかず、早めに病院を受診することが大切ですよ。
まとめ
- 舌につく白いものは舌苔といい、食べかすや汚れ、細菌が苔状についたものである
- 白い舌苔が舌につく原因は、清掃不良などの生活習慣・抗生物質などの薬の影響・胃腸の不調などの全身疾患の3つがある
- 舌苔は完全に取れない状態でも、うっすらと残るくらいなら心配はない
- 舌苔が明らかに厚くついていると、口臭・虫歯・歯周病などの口の中のトラブルや誤嚥性肺炎を起こすこともある
- 白い舌苔を取るには、ブラシで磨く、マウスウォッシュを使う、綿棒で清掃する、舌ケアタブレットなどを舐めるなどの4つのケア方法がある
- 舌苔が取れないからと強く磨くと、舌の表面が傷つき口臭悪化や味覚障害を起こすことがある
- 舌磨きなどでケアしても舌に白いものが取れない場合は、口腔カンジダ症、白板症など口の中の疾患の可能性があるため、早めに歯科を受診することが望ましい
- 鼻づまりや胃の不調、糖尿病などが思い当たるようなら、各医療機関を受診することがおすすめ
舌を意識してみることって意外とないですよね。
舌苔がつく原因は3つありますが、特に多いのは清掃不良などの生活習慣によるものです。
また、全身疾患が原因になることから「舌が健康のバロメーター」であるともいえます。
面倒だから、痛くないから…と放っておくと、さまざまなトラブルを引き起こすこともあるので、舌ケアをしたり医療機関を受診したりと早めに対処していきましょう。