妊娠中にはさまざまな体調の変化が起こりますが、その中でも、『便秘』に悩まされる妊婦さんは少なくありません。
実は、私も妊娠初期から中期まで、便秘に悩まされている妊婦のひとりでした。
しかし妊娠中は、便秘を解消するための下剤やお茶などに頼るのは、赤ちゃんへの影響を考えるとなるべく使いたくないというのが本音です。
そこで、健康食として話題のもち麦に注目してみました。
実は、もち麦は妊娠中の便秘を解消してくれるスーパーフードだったのです。
もち麦が妊娠中の便秘を解消してくれる理由やレシピなどをご紹介します。
便秘が悪化すると、便が硬くなり、出そうとした時にいきんでしまって出血やお腹の張りに繋がって行くのでこの記事を読んで早めに対処しましょう。
きらりもち麦は国産であり、白米に混ぜても違和感なく食べられます。
冷めても美味しく食べられるのでお弁当に入れるのもOK。
私は、国産もち麦1:白米2:雑穀米少々と炊いて、シンプルに焼き海苔で巻いて食べています。
妊娠中の便秘にはもち麦が効く!理由と白米との比較


もち麦は、コンビニのおにぎりやお弁当にも使われているくらい人気な食材だよね。でもどうしてもち麦は便秘を解消してくれるの?
もち麦が、妊娠中の便秘を解消してくれるのはβグルカン(水溶性食物繊維)と、不溶性食物繊維のおかげなのです。
βグルカンは水溶性食物繊維の一種で、食物繊維の中でも水に溶けやすいという特徴があります。
腸内の善玉菌の餌になるため腸内環境を整える効果があります。それによって、妊娠中の便秘や下痢を解消してくれるのです。
また、免疫力が上がってお肌を綺麗にしてくれるという嬉しい効果もあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けない性質があり、水分を吸収しながら膨張して腸内へそのまま運ばれます。
そのため便がカサ増しされ、蠕動(ぜんどう)運動を活発にして妊娠中に滞りがちな便通をよくしてくれます。またβグルカン同様、善玉菌の餌になり腸内環境も整える効果があります。

普段食べている白米ともち麦ではどれだけ食物繊維量に違いがあるの?
もち麦と白米の100gあたりの食物繊維量を比較してみました。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | |
白米(100g) | 0.9g | 0.6g |
もち麦(100g) | 3.8g | 1.5g |
白米に比べて、もち麦には倍以上の食物繊維がバランスよく含まれていることがわかりました。
もち麦に含まれる栄養素と期待できる健康効果
もち麦は、白米に比べて食物繊維が豊富だということがわかりましたね。食物繊維だけではなく、白米にはほとんど含まれていない栄養素も豊富に含まれているのです。
- β-グルカン(水溶性食物繊維)
- 不溶性食物繊維
- タンパク質
- マグネシウム
- カルシウム
- カリウム
- ビタミンE
タンパク質は、もち麦100gあたり10.6g含まれており、なんとそれは白米の約2倍!
筋肉や血を作る要素としてとても大切なタンパク質は、1日に成人女性で50g、さらには妊娠中期は+10g、妊娠後期+25gも摂らなければいけないのです。
主食として取り入れることができるのは嬉しいですよね。
ビタミンEは100gあたり0.35mg含まれており、白米の約3倍!
ビタミンEは抗酸化作用があり美容効果が高いとされていて、妊娠高血圧腎症の罹患率を下げる効果が期待できます。
他にも、白米にはほとんど含まれていないマグネシウムやカリウム、鉄など妊娠中に不足しがちな栄養素がたくさん含まれているのです。
妊娠中にもち麦を食べると便秘解消や栄養補給に効果的なことがわかりましたが、もう一つ妊娠中にもち麦を食べた方がいい理由があります。
もち麦には、妊娠中とても気をつけなければいけない病気、妊娠糖尿病を防ぐ効果があるということです。
妊娠中は妊娠していない時と比べて、血糖値が上がりやすくなっています。そのため妊娠中、主に妊娠後期は高血糖になりやすく、基準を超えてしまうと妊娠糖尿病になってしまいます。
もち麦に含まれる水溶性食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにして、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きがあるため、結果的に妊娠糖尿病を防ぐ効果があるのです。
このことから、もち麦は便秘解消だけでなく、糖尿病を予防する効果が見込まれる栄養素が含まれているということがわかりました。
もち麦のおすすめの食べ方や簡単レシピ

もち麦はどうやって食べたらいいの?妊娠中は特に体調も不安定だから、作り方が難しいと長続きしないよね。
もち麦を手軽に食べられるおすすめの方法は、白米に混ぜて一緒に炊く方法です。
もち麦はプチプチとした独特の食感や麦の香りがあり、好き嫌いが別れてしまいがちです。
もち麦だけで食べるよりも白米に混ぜたほうがそれが緩和されて、初めての人は食べやすいのでおすすめです。
もち麦と白米の簡単で美味しいおすすめの炊き方をご紹介します。
<材料>
白米1合、もち麦1/3カップ、水
- 白米1合(150g)をいつも通り研いで、1合分の水(約200ml)を加えます。
- もち麦を米カップ約1/3(50g)をそのまま入れてください。(洗わなくてよい)
- もち麦の量の2倍の水(100ml)を加えます。
- 軽く混ぜてから通常モードで炊きます。
上記の作り方だと約1.5合分のもち麦ごはんが炊きあがります。この割合はもち麦3割の炊き方ですが、もち麦に慣れてきたら、どんどん割合を増やしても良いですね。
もち麦の割合の増やし方は、もち麦を加え、加えたもち麦の重さの2倍の量の水を加えます。
急に食物繊維の摂取量が多くなると、お腹がゆるくなったり逆に便秘になったりする場合があるので、だんだん量を増やしていって、腸内を慣らしていくと良いでしょう。
スープにもち麦を混ぜるのもおすすめです。
<材料>
茹でたもち麦(100g)、インスタントスープの素、お湯
- もち麦を沸騰したお湯に入れて、中火にします。
- 途中かき混ぜながら15分ほど茹でます。
- ザルにあげて、ぬめりがなくなるまで流水で洗います。
- 水気をよくきります。(100gずつ冷凍しておくと便利)
- カップの中に、茹でたもち麦とインスタントスープの素を入れてお湯を入れます。お湯はスープを作る時より少なめにしてください。
インスタントスープは好きなもので大丈夫です。クリーム系にしてお湯を少なめにするとリゾット風になって美味しいですよ。
もち麦は白米に混ぜて主食として食べたり、スープに入れたりとアレンジの幅がとても広いのが特徴です。
そのほとんどが、和えたり、混ぜたりするだけの簡単なものばかりなので、便秘に悩まされている妊婦さんはぜひチャレンジしてみてくださいね。
もち麦の独特な匂いもなく、食感も粒がプチプチしていてとても美味しいです。
なによりスーパーで売っている国産もち麦の半分の値段で買えるので助かっています。
妊娠中の便秘はなぜ起こる?4つの原因とは


もち麦によって、妊娠中の便秘が解消されることがわかったけれど、そもそもなぜ妊娠中は便秘になりやすいの?
妊娠中に便秘症状を感じた妊婦さんは約7割にも及びます。
その原因は体の変化や、生活環境の変化を含め大きく分けて4つあります。
- ホルモンバランスの変化
- つわりによる食事量の変化、水分不足
- 運動量の変化
- お腹が大きくなることによる臓器の圧迫
1つ目の原因であるホルモンバランスの変化というのは、妊娠中に胎盤の形成などを促す働きのある黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加するということです。
なぜかというと、そのホルモンは、消化管の収縮を抑える働きがあり、腸の動きが悪くなってしまうからです。
さらには、子宮が大きくなれるように子宮周りの消化器の筋肉を緩める働きによって、排泄に必要な蠕動(ぜんどう)運動を弱まらせてしまうのです。
2つ目の原因は、つわりによる食事量の変化と水分不足です。
つわりになると、気持ち悪さで食事が思うようにできなくなってしまう場合があります。食事量が減ると便の量も減ってしまい、便意を感じにくくなってしまうのです。
また、食べられるものが限られてしまうため、偏った食生活になったり、食べたものを吐いてしまうことで、食物繊維や水分が不足し、便が硬くなり便秘になりやすくなってしまいます。
3つ目の原因は、運動量の変化です。妊娠中は体調がすぐれない日が多く、妊娠前と比べてインドアになりがちです。
外出が少なくなると必然的に運動量が減ってしまい、腸の動きが鈍くなってしまうので便秘になってしまいがちです。
またお腹が大きくなると、疲れやすくなってしまうのでさらに運動するのが難しくなってしまうので、妊娠後期は特に注意が必要です。
4つ目の原因は、3つ目と同様、主に妊娠後期に起こります。
妊娠後期になると胎児の成長に伴って、お腹が大きくなり、大きくなった子宮が周りの周りの胃や腸などの臓器を圧迫してしまいます。
圧迫された臓器は、消化や排泄の動きが鈍くなり、便が滞ってしまうのです。

なぜ妊娠中に便秘になるのかよく分かったわ。4つの原因のうち、2つはもち麦によって改善できそう!
1つ目の原因であるホルモンの変化と2つ目の原因である食事量の変化と水分不足はもち麦で改善することが可能です。
もち麦には、不溶性食物繊維によって蠕動(ぜんどう)運動を促す効果があるため、ホルモンの影響で弱くなってしまった腸に働きかけてくれます。
また、もち麦に含まれる水溶性食物繊維によって便を柔らかくしてスムーズな排泄を促してくれるのです。
しかし、2つ目の原因はつわり中に起こるものです。つわり中は食べられるものが限られてしまう場合があるので、もち麦を食べることができる場合に限ります。
もち麦を白米に混ぜるよりも、スープに少量ずつ混ぜて食べるほうがつわり中は食べやすいかもしれませんね。
妊娠中の便秘を解消したい!おすすめの方法を3つ紹介


もち麦と併用して妊娠中でもできるような便秘を解消する方法はないの?
もち麦での便秘解消方法は、主に食物繊維で腸内環境を整えるという方法でした。ここでは、もち麦以外に、妊娠中に行える様々な便秘解消方法をご紹介していきます。
水分をこまめにとる!目標は1日1リットル以上
腸内の水分が不足すると、便が硬くなり、便秘になりやすくなってしまうので、こまめな水分補給を心がけましょう。
夏場は1.5リットル、冬場は1リットル程度の水分を摂るようにすると良いでしょう。
特に、朝起きてすぐにコップ1杯程度の水を飲むと、腸を刺激して便意を促してくれる効果があるのでおすすめです。
食生活を見直して腸内の善玉菌を増やそう
もち麦には、2種類の食物繊維が含まれており、善玉菌の餌になり腸内環境を良くしてくれるという特徴がありました。
実は、もち麦以外にも善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる食べ物はたくさんあります。
善玉菌を増やすには、食事から善玉菌を直接摂取するか、善玉菌の餌になる食べ物を食べて腸内で善玉菌を増やす2つの方法があります。
善玉菌が入った食べ物は、主に発酵食品と呼ばれているものです。例えば、ヨーグルトや納豆、みそ、糠漬けなどです。
作る手間もなく、簡単に摂ることができるので手軽に便秘を解消してくれます。
善玉菌の餌になる食べ物には、果物類(りんご、いちごなど)や海藻類(わかめなど)、野菜類、芋類、豆類などがあります。
しかし、海藻類に含まれているヨウ素は、過剰摂取すると母体や胎児の甲状腺に影響を及ぼす可能性があるので、食べ過ぎには注意しましょう。
意外なところで言うと、冷えたご飯や冷えたパスタなどに含まれている難消化性デンプンも食物繊維の一種で、善玉菌の餌になるのでおすすめです。
適度な運動を!まずは軽いウォーキングから
妊娠中の激しい運動は、つわり中はもちろんのことお腹が大きくなってからも負担が大きいので控えたほうが良いです。
しかし、ウォーキングなどの軽い全身運動などは腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し便秘解消につながるのでおすすめです。
また、出産時のいきみに必要な筋肉を鍛えることにも役立ち、安産につながるので適度な運動は積極的に取り入れましょう。
マタニティ向けのストレッチや、ヨガなどを取り入れるのも良いでしょう。
まとめ

- もち麦は妊娠中の便秘解消に効果が期待できるスーパーフード
- 妊娠中の便秘を解消してくれるのはもち麦に含まれる水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のおかげ
- 便秘や妊娠糖尿病を予防してくれるもち麦には腸内環境を整え、免疫力を高める効果が見込める
- もち麦のおすすめの食べ方は白米に混ぜて炊く、スープに混ぜる
- 妊娠中に便秘になる原因は、ホルモンバランスや食事量の変化、水分や運動不足、臓器の圧迫がある
- 妊娠中は水分をこまめに取り、食生活を見直し、適度な運動をすることで便秘解消につながる
妊娠中の便秘には、もち麦がおすすめです。便秘を解消するだけでなく妊娠糖尿病を予防したり、豊富な栄養素が含まれていたりと良いことだらけなことがわかりました。
あなたに合った方法で、快適なマタニティライフを過ごしましょう。